2018・7月の句会    ー第130回ー

月が沈む夜をふたり               古戸暢

遠吠え真似する子らが寝る頃

今だったら大丈夫はだかで歩いても        克彦

名前書けないのでハンを押す

半分だけ自分色に染める草が好き         かえい

命をつむぐ青田風山開き

捨てかけてはまた読む腐れ縁           博之

あきらめよりもっと速い濁流に今さら  

雨音を探す耳ひとりの昼             麻由可

約束げんまんの小指がつめたい

手術互いに振る手の置き所            妙子

無邪気にお見舞いのキャラクターマスク

わたくしずっーと留守番中            昌子

嬉しくて跳び跳ねて膝痛い

洪水の底魚につかまる手がない          けんじ

カナディアンスクールの少女発熱して白し  

祭終え足元にぺしゃんこの蟹           雅人

七回忌あせも掻きむしる五歳

ベタベタ叩かれるカボチャと答える         架京

旅心ころころエプロンのポケットから

七月朔日つる空に伸ばしてや朝顔          ゆき

泥だらけの家財かすめ飛ぶ燕

同じもの食べたくちびる拒まれる          一音

海に来て濡れないところにいる

夏水面なにもかもひかる              働猫

米袋より重く抱きごたえある猫である

迷い歩くも懐かしきこの街並み           郁也

大雨止んで立ち寄れて夏らしい空

悲しみ連れてきた雨はやまない           酔魚

返信確認して灯り消す

今夜はどの星ですか移り気な人          歌也子

泣いて目覚めた朝の怒られた記憶

穏やかな海に 故郷から知らせあり         知子

真紅の口びるに誘われる 竜宮城の入口

風は逝った佇立して雲と空を見上げている      一憲

逝く道 不乱で激しく握り合う白い手

しかたがない立葵と一緒に濡れる          貴子

気だるくって夕べの切れ端ころがす

梅雨晴や健康ウォーク八千歩            裕一

久しぶりに駅ビル歩けば美女と逢い

川向こうの灯へトランペット練習中ですか      圭一

虫柱 ああ虫柱 虫柱!

長靴の泥乾き落ち夏                錆助

夏の陽に泥濘の被膜の七色