2018・5月の句会    ー第129回ー

こつこつと月を削って待つ夜         麻由可

まどろんで遠くでスコップ使う音

次々ときてみんな風のほうをむくバス停     架京

ライオンみたいに吠えてきた長い手紙      

朔月   かたちのない愛もある         ゆき

かすかに発光する思いあり夏の夜 

命日近づいてきて針の月            酔魚  

 赤色の生命力かトマトかじる

セキレイに道譲り杖の一休み          妙子

祝日も関係ないのっぺらぼうの曇り空

今日を素直に生きて夕日の庭         歌也子

遠い友思う春の星

初夏を羊刈られるウール100%        けんじ

東北訛りのホセさん握る軍艦巻

 素足ならんでぶらさげ水光る         博之

緑繁る葉の落ち初める音

花時雨さっきまでの君が薫る          働猫

百合と咲いてまだ泣いている

K公園絡めた指に冬が過ぎ逝く          一憲

陽に月に酒に攻められ戸惑う高瀬川

峡谷の風を吸う                 錆助

社への石段に毛虫踏まれとる

明日から遍路の酒を酌む           大布団

愚痴言わず我が身を削る金剛杖

大水槽にはヒトも展示されとる         圭一

深淵に通り過ぎるアデリーペンギンのまなざし

よくわかりましたという時の眼         貴子

音のない秒針に刻まれている夜更け

蜜柑の花より生まれくる子のにおい     タケウマ

連休最終日の背筋伸ばす練習

コピペした街に空っ風からから        友介
涙雨べつにあんたのためじゃないけど

草抜ききって残る砂利の灰色         雅人

寝る母を攀じる児の息弾む朝

水みず水 水が欲しい んです        人美

耳を澄ませば聞こえるレプリカつぶやき

早朝 ねこが生きているよと 告げる      知子

大きなムカデと猫と焼酎と私

冷えきった施しをかじるまた野が暮れる    郁也
波音と星空と横たわる私

    

尖らせて北風の街走る