2018・3月の句会    ー第128回ー

なにかをなぐりたい夜は月蝕           古都暢
小雨に降られた肩の細い

立春ガラス越しメジロと遊ぶ           克彦

ゴミをだしネットかぶせたもう一度振り返る

麓の鹿も会議中春の奈良              かえい

春風を束ねて届けよう虹の橋へ

呟きいつしか主張になる紫陽花の新芽       妙子

散歩道春と交わす二言三言

雪明り吸って眠る茶碗              麻由可

君の白いシャツ 未来のことを話そう

人みな等しくかなしく曇天の下          働猫

また人と猫に生まれて十六夜

春すっぴんの風と歩く              酔魚

春嵐止むまでの酒持て余す

撫でて抱きしめても痛む夜            昌子
鏡の中の鬼を追い出せずにいる

連行される男の肘に春の泥            けんじ

ローンはね借金と言うのよほんとはね

 蝋燭の火が消える前のほんの少しの        ゆき
この路地を抜けたとこが明日

青の濃く描かれてみればそのような顔       博之

また新しい別れがくるか一人静

出先旅先変わり都会着は薄着           郁也
夕べの肉が腹にある旅の日帰り

昔がよみがえって電話口の無口          架京

この道まっすぐ春をひらく雨

花咲か爺さん梅盆栽              大布団

作務衣の尼僧日曜日

恋人が恋人でなくなるさくら          一音

くちづけ奥歯に挟まったまま妻としての朝

見失ったこころ今ここにある          歌也子

眠れぬままに春の嵐と明けゆく

牡丹雪誰か殺しそうな青年が歩く        圭一

寝溶かした休日に特記事項はありません

ほめられて犬のひとみ          タケウマ

涙です春の欠伸の涙です

春疾風くゆらす紫煙奪い去る       雅人

梅香る徘徊告げるアナウンス

街のやぶれめまで歩く          人美

おっぱいにしょっぱい海がある

朝を片付け四分休符に腰かける      貴子

囀ったまま乗り換えていく京都線

 

    

尖らせて北風の街走る