2018・1月の句会    ー第127回ー

お腹のお肉をつかみ合う湯船        古戸暢

 不意のお膝にいつもの子

十一枚丸膳に散る年賀状          克彦

月影の格子戸に流れる紅白歌合戦

錆びた鉄棒と猫じゃらし          かえい

葉っぱのフレディ地下にぐんぐん潜る

枇杷の花私のために生きてくれるという   歌也子

稲村ヶ﨑の夕焼けがふたりの始まり

還暦の娘に差してもらう紅の色       妙子

転居祝に頂いたビル街日替わりの日の出

句をすててばかりストーブの音       架京

見つかりそうにない冬木の鍵の束

 どうってことはなし今日の私は生まれたて  昌子

何かが泣きそうになる煮過ぎた白菜

悲しみのペンキを塗り直している      麻由可
はっかあめ小さな罪を転がす

晴れて二拝二拍手一拝の列長し       酔魚

年賀欠礼の細き文字それぞれ

おあずけと言う軽いいじめ犬にあり     けんじ

女ひとり暮らしてサボテンに挨拶

枯れ葉蹴散らして行く若者の眉間      ゆき
全色混ぜると黒になる愛情

初雪恥ずかしい夢で醒めた         一音

ここは君んちだった花の種が落ちてる 

日の出待ち待ち初煙草           錆助

音無く重さ無く掌にどんとの灰

籠れば見えぬ海を確かめて眠る       郁也
深夜新年雲割れて円い月

八月のカレンダーと年明かすかも      圭一

アスファルトやっと初雪の降りおる

最後の小節線思う とても静かな 夜明けに  知子

檻の中に 大きなダブルのお布団 ほしい

神様に会う気になれず凧でいる       貴子

欠伸したような空で電線のカラス

成人式メイクに浮かぶ祖父の鼻       雅人

自販機の当たり残して行く師走

墓石消えている土を踏む          博之

しもやけの足もともうすぐ菜の花

五口尖らせて北風の街走る