2017・9月の句会    ー第125回ー

サンダルの泥も乾いた空だ        古戸暢
俺のチョコに蟻か蟻だ

朝顔のからむすだれ正午の時報       克彦

銃で胸貫通にっこり笑ってガムをかむ

雨戸をたたく金魚夏の夢          かえい
立てる白雲裏に風神雷神

お日さま恋しく咲けない蕾ポロっと落ちる  歌也子

生家の山寺を守る百日紅の大木

生活に収まって存外のぬくみ        麻由可
刹那ばかり見ていた少年の夏

雨くさい身体を抱きしめる         昌子
爪染めなくなって夏が往く         酔魚

 降る雨棘になる夜

祝杯かさねて今宵の月は真珠        ゆき
前世の話をしようと猫が誘う

口づけを繰り返し欠片を痛みを持ち帰る   働猫

てのひらの髪のにおいを嗅いでいる

秋の詩をためこんでいる割れた壺      架京

法師蝉鳴きはじめたら海閉じろ

裏切られまいときみの跡を追う        一憲

行かないで悲痛な声を受け逝く夜半

痛みがついて回る休日も終わる       郁也
一夏を削られて私と蝉がいた小道

君を永久に失ったかもしれない芒原     どら

破船は一汐ごとに砂に沈んでいく            

よく似た母と居て蚊に刺された       一音

天高く穴の空いた靴下で歩いた

欲の深さをリュックに詰める        西川大布団

影を励まし登る道

風涼し今日は絵具の夕焼          圭一

潮臭さミドリから空になってゆく

過去が光る銭湯のれん          博之

悩んでる間にカボチャが炊けた

ワタシをすり抜けて秋風          タケウマ

穴あかなかったねあなたの形の白線

蜻蛉群れなし精霊送る           錆助

麦茶の氷溶けカナカナカナカナ

まぁええかひこうき雲の切り取り線     友介
つくつくほーしもうちょっと延長戦

目覚めきらない朝の納豆の糸        妙子

寡黙の女に自分を語らせる線香花火

草刈機止めばテレビが喋っていた      けんじ

おまえ等の等として叱られる

ゆらりゆらりとくらげの日常        人美

未来をすてた僕に過去に縋る俺    

恋占い柘榴の下には猫がいる        貴子

虫鳴く夜の皿に盛られた三日月

木の枝切って秋の蕾をみる         知子

風の言葉は早口