2017・3月の句会    ー第122回ー

腰にひびく子らをかつぐ             古戸暢
月夜の赤子の頬をつついた

雪積もる枝に空蝉                克彦

若菜の天ぷら頬張り苦味さがし

ボイ谷のロマネスク寺院の 結晶性の鐘の音    弘英正

ilusión(イルシオン)という名の宿に泊まる

窓少しあけ春の地図を広げる           架京

あきらめもキラキラ光る菜の花畑  

「恋ダンス」少し踊っちゃうおばあちゃんで 春  歌也子

毎日どこか痛くて生きているを知る

迷わずに研ぐ                  ミソサザイ

春猫 私これでいいんです            麻由可
とりどりの毛糸編む日々というショール

咲く頃加減の花は知っている           酔魚

散髪したての風まだ寒い

ジグザグの道 ザグザグにお使い          井上知子

お客は皆 梅を尋ねてくる 鳥

サクラガサイタラヨメニユク           ゆき
するすると水飲み干して忘れる

赤信号のら犬抱えている             一音

きっとあの下に海がある雲めざしてゆく

わたしの胸を掘って猫は幸福をさがしている    働猫

 罪罪罪を踏みしめて春のあしあと

クロッカスの黄色に掃除機の手とまる       昌子
小鼻バックしてみるひな祭り
酔うて五臓六腑を県道に吐く           けんじ

熱湯を注いで3分叔母が来た

左肺上葉の腺癌切ればこの春より片肺ならぬ四分の三肺飛行なり  タケウマ

母の忌の雨は春雨

春の朝風呂ズックを洗う             西川 大布団

翳む目で眼鏡拭いていた

川岸壁当ての少年も光る             圭一

道程の先 月が小火ける

冬折れの古樹から小さな芽小さな芽        郁也

焦り 小春日 何者でもない私

雪国から来たまんじゅうのふかふか     博之

光が強い鳥はどこへ去った

記憶が血を流す              人美

叫んでも叫んでも声にならない声で叫んでる

粉雪落ちる雑踏の静かさ           雅人

鳶が広げる空に土筆

波間に一羽の黒い鳥私かもしれぬ       貴子

いさかいの夜の苺のつぶつぶ

もうスキップはできないけど春       友介

消しゴムの角なくなって二年生  

 

 

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