2017・1月の句会    ー第121回ー

子の眼の先で蛙が座る            古戸暢

スマホ割れて満月

糸引っ張ればタコさかとんぼり        克彦

洗面所ごきぶりうずまきに消えにけり

じゃねと手を降る娘ピンク色         昌子
今夜息が四角い

お茶を出す指先の自信彼の母親        麻由可
ペンの影も短い

まだ別れたくない手にタクシーが止まった   一音
窓に窓映る町に来てしまった木枯らし

今日一日をそっと捨てる西日の車窓      ゆき
わだかまり解けて半衿の糸すっと引く

人を殺す雪がピリカ             働猫

北から来た博多おい寒いぞ

サナギには才能溢れ子に踏まれ         温

万車券厳寒のふりする家路

愛の言葉も言えず閉じた命 その儚さ     一憲 

哀しみの形なぞる別れの朝

鐘にならぶ煩悩の音がいい          博之

難解な初夢ですっかり忘れてしまった

元日鳥鳴くばかり               圭一

マンションが支える雪雲

午後のカフェ散らかる言葉に紫煙を飛ばす    雅人

宿酔として背中をさするやがては父か

渡邊あれでいけんのか空っぽの冬の空      タケウマ

あたまコツンと梅開く

夕星に照らされて雪の帰り路          友介

猫遺して逝けない男も啜る善哉

餅まく女が遠投している           けんじ

センター試験行く子の寝ぐせ鋭し

うどんの湯気に顔突っ込む           勝
夜の海には形而上学

山茶花はらりと影と別れる           架京

冬木のみえる窓へ皿の音つみ重ね      

虹見て後は元旦の風風              郁哉
彼方の山も溶け込ませない雪の輝き

其の内にを口癖に八十路の新年          妙子

ぽつんと区画整理見ている土蔵

貴女と長電話の座布団の温み           歌也子

ぽかぽか 貴女と笑い合えたから

袋戸に父のゲートル入れたまま新年        貴子

雑駁な日を膝まで濡らし氷雨

おみくじは大吉甘酒なお甘し           酔魚

振る舞い酒のあたたかく寒の雨

 


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