2016・7月の句会    ー第118回ー

汗がやまない初夏の子ふたり         古戸暢

見下ろせば指さされていた

悲しくて涙も枯れたとラムネ飲む       克彦

新緑に乙女が踊り衣舞うロンド

愛犬のまなざしに癒され眠る         昌子

はみでた口紅。おちつけ私

ギプスの足で夏空を蹴る           ゆき
叶わぬ願いもあり短冊は重たげ

お盆ちいさな爪ならべて見てる        働猫

梅の木がまた猫を降ろさない

三途の川泳げそうなら水着持参        けんじ

夏木立力士股ずれ

鉦ちんと鳴らしていつか死んじゃう人が素麺  タケウマ

百合の香に倦む夜を箱舟

トンボがいっぱい十字架みたいにとんでいる   人美

少年が走っているただそれだけなのに

プール遊びの声に出鼻挫かれ初蝉        妙子

クレーン車律儀に向きを揃えてさて投票日

広辞苑が友で庭のカナヘビと遊ぶ        歌也子

夏籠り人混み怖くなって久しい

嘘ついた顔で眠る月夜             一音
知らない町の虫を殺した

銀の湯が沸きたまごは惑う           片岡玉虫

片蔭で君の唾液を奪ひて、無

いいよいいさ都合よく蝉を聞く         博之   

お経からずれていく筆先

炎天に立てば路面電車の音近づく         酔魚
祭囃子の遠くなり麦酒冷えている

遠雷ヒマワリはただ空を見る          貴子

葡萄の葉から滴り落ちる二人の無言

貨物汽車 首の筋に蟲がいる          圭一

酒汲む姿海老に見られてる

風が出てひなげしの動かす空          架京

人より懐っこい雀がいる東京        

よひら ちぐはぐな過去を合わせる       麻由可
星空駆けるスニーカーが欲しい

ねだれば餌やる稚魚の腹丸し          郁也
黄金虫を付けたまま帰ってきた一人暮らし

青い空白い雲 地球が丸い              友介

どんッと鳴って皆振り返る

ゴミ収集車に噛まれて去ったプーさん人形       勝

さんざの愚痴で渇いた口に黒珈琲