2016・3月の句会    ー第116回ー

 

ゆきだすべるみちだ                   古戸暢

子らの手に手に雪や雪

春耕みみずのにおい                   克彦

梅が香に振り返っても闇

クリムソン一色に塗りつぶしたままの絵          ゆき
 雪の街に潜む者たちぬかるみに揺れるネオン

昨夜の話引きずってる生乾きの洗濯物           妙子

終日春の雨本棚に並ぶ亡き師の名

うっすらと嫉妬つもらせ更に雪降る            貴子

梅のひらひらそして誰もいなくなる

手帳開いて明日の予定は春風               タケウマ

おはよう春風

ふりむかない背中いりませんか              麻由可
白い背の椅子が春を待っている

モクレン私の見失った白さを探す             架京

木蓮の白さきっとあの日のあなたから

松花堂弁当に飯蛸が納まっていやがる           けんじ

早朝より全員眼鏡かけている会議

新酒だよりに旅の地図広げる                酔魚
升に酒のこぼれて作ったのは自分

カッパの着方からマスターせよ              ナカスジミソサザイ

傘の使い方マスターせよ

興味ないふりして爪先リズム               友介
気に入らないチョッキ着ている今日だけ
春を気ままにぬるい朝風呂                勝

両手につかんだイチゴで思案の子ども

あなたは私でよかったのですか桜の道           歌也子

お持ち帰りくださいの菜の花抱えている

死んだ狸よけて家に帰る                 水越雅人

名前があることは知っている草だ

老婆は歌に泣いているオペラ歌手はますますの笑顔     郁也
三日掛けて吐く仕事の毒だまだやれる

今日がきのうになって誰のためでもなかった化粧を落とす  一音
夜の電話ぬるぬると雨が近い

灰皿に私の爪が燃えている                圭一
ティッシュ箱 陰口言われてるんだろう

まっしろなノートのうえを春風走る            博之

手もとみつめて話しつづける青い月