自由律俳句の流れはいくつかあるようですが、「エトレ句会」は「青穂」の支部です。
「青穂」は荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)師系の結社です。
俳句は日々の生活の中で自然(対象)から湧き起こった感動を、これしかないという
最も緊縮した言葉で表現したものだととらえています。
従って、五七五の型や季語にとらわれずに詠んでいこうとするものです。
百年を越える長い歴史を持つ自由律俳句には、
尾崎放哉や栗林一石路、種田山頭火のように人口に膾炙される(有名な)
名句を残した俳人達や、近年注目されている住宅顕信を輩出しました。
シヤツ雑草にぶつかけておく 一石路
咳をしても一人 放哉
分け入つても分け入つても青い山 山頭火
春風の重い扉だ 顕信
尤も、井泉水はそうした特異な人生を送った俳人達もさることながら、
市井の中で日常の暮らしを詠んだ優れた作家が数多くいたことを強調して、
朱鱗洞や鳳車、黙徒、緑平他の人々の名を挙げています。