2015・4月の句会    ー第110回ー

 

乳首くわえて寝息            古戸暢

春が来ている夕焼けの梅

頑固ですこの気持ちのままの余生     歌也子

あなたも好きでしたね箱根駅伝高校野球

椿一輪落ちた地球の中心         克彦

鼻唄うたい俳句つくる

追いつけない大きな靴が桜をくぐる       架京

菜の花も線路も一気にカーブする             

青豆が笑っている白い小鉢             麻由可

葉桜 それが勇気ならいらない

月見上げる君の心の底の蒼さ       ゆき
舞い上がり漂い散る場所をさがす

過去の消えてゆく天井          祖啓

骨を突き止めた足音

桜の木に冬冷え絡まっていた       喜久也

飼い犬もつつがなく今年の桜

遺影がにやついるを           人美

寒い朝妄母の手際思い出す豆腐の賽の目  妙子

久し振りにきゅうるるる空腹が鳴る

亡き母の面影ふわり桜の雲        えみ子

固く指を組んで残りの日を行く

人の 心の苦い日は雪が降る

雑踏で指切りして春を別れた       けんじ

母さんのスリッパなければユニクロだろ

君をふりむけば花朧           働猫

俺笑うて日桜

あたま下げて靴先の泥光る        タケウマ

すこし壊れてしまおう葉桜のささやき

春雨甘やかに布団に残るぬくもり     一音
海も空もおぼれてどしゃ降り

朝一番の水に生き出す           酔魚
なびかせてスカートは桜いろ

痛みから来る狂気ひた隠し春の街のどか   郁也
異常ナシの一言で終わる残業後の健診

なめくじら新緑を噛む           錆助

細い雨の葉牡丹の花開く

書きあぐね 窓外の雨音          西川勝
髪のびて 髪もつれ

遠景を蹴り上げ花曇り                温 

前途なさそうな春の嵐

アブラナ科不法占拠す廃屋         貴子

どうにもならないのはあなたも同じ柿若葉