2015・2月の句会    ー第109回ー

 

発熱のおかゆに海苔かこれは         古戸暢

寝て起きて雑煮だ

塩花ひとのいるところ            さはらこあめ

雪ふとり一本の木の緑

すべて納得できるまでそのページは閉じない  歌也子

今夜は前髪切って嵐を歌う

死んだ男の服を着て春            人美

夕焼け蜻蛉赤いのは多くの涙みたからね

かなしくて傷つけた町に帰れるはずもなく   働猫

地図が汚れて月も半分

ちょっとこころの道草を春のけはい      妙子

揺らぐ性善説早春の陽にかざしてみる

拝む身の邪念だらけ             酔魚

輪ゴムは輪なのに絡まって

疲れた身体に重い荷がある冬の旅立ち     郁也

怒鳴り散らす馬鹿に見た昔の自分

絨毯の上でなんでも解決している       けんじ

まあいいかまあいいかで崩れていく

あえない人がまたひとり冬の星空       架京

ふる里はきんかん燈る夜の道

障子破いて正月の空つかむ子いて       喜久也

犬と哲学などを雪降り積む一日

きかれないから言わないだけの冬の雲     貴子

日和ぶらりとできていく地図

密やかな囁きに耐えられずかすみ草散る    えみ子

ずっと心に喪服を着て哭いているカラス

物言えぬリンゴが真っ赤だ          温

貧しき家庭の貧しき皿を磨く

線路に耳をあてた遠い日           克彦  

少年の言い訳 時計チクタク

冬木立泣きたくてまた泣けなくて       麻由可

弱さの鎧の綻び見られた

満たされない夜更けのぬるいミルク      ゆき

無邪気に毒を吐く母の哀しみ 

左手開けばチョコと春風           タケウマ

ぼーっと見ていて目が菜の花だよあなた 

ひとすじの陽に眠る            錆助

爪切る新月

お風呂の順番で戦争            祖啓

カギを無くしては憤慨

葬式の話しているモンブラン二つ      一音

初めての煙草もうドラえもんは信じない