2014・10月の句会    ー第107回ー

 

心の軒先を貸してください       つゆこ

傷つけたくない逃げている 

電車行く黄金比間音もなく        克彦       

溶けたバタートーストパンの切り口走る

萩はもどらない日を散らしてばかり     架京

恋は片手に愛は両手に金木犀

いっしょに探しませんか赤とんぼの秋    妙子

今となればすべて良しとし野菊咲く

おおかたの腸をとられて笑っている     けんじ

彼岸花一本咲いて様子みている

固定の夜勤に放り込まれて秋ぐんと深まる  郁哉

そんなに仕事が好きか毎日汚れた作業着で

彼岸花咲いて喪中葉書の支度する      酔魚

また会えただけで良し酒うまし

遠雷にざわめく路上花          人美

飛び出し注意ぼうやに手をふられしごと捜しに

ひなたくさい襟足の忙しい休日       えみ子

金木犀揺れて秋芳しく深く染み入る

秋風に急かされて夏を丁寧にたたむ     喜久也

北側から淋しさがやって来たよ干し柿の色づく速さ

家人寝込んだ日の夜長           ゆき

木犀の香りかき混ぜるほどに手を

沈黙が行ったり来たり秋が来た       貴子

そんなこんなで旅に出た栗饅頭

子猫二匹は野良猫でいる          古戸暢

にゃあと鳴く身にゆるい雨風