2014・4月の句会    ー第105回ー

 

うす紅の片恋遠くなり山桜          ゆき

君のようだと言ってくれた花がまた咲く

雲のいたずらあなたの影消えたり出たり    歌也子

小さな庭の小さな温もり仏の座

キューピーの腕失くしたままで一年生     健治

貧血の人もいたりして桜満開

法被着て ボタンに水やりゃ 寺男      克彦

花びらの カーテン引き裂き ボート漕ぐ

秘密めきカーテンの隙間から隣の夜桜     妙子

うつうつと一日春の嵐が公園掻き回して行く

柔らかい石より蝶の影生まれ         増田天志

青空へ蝶こぼしゆく霊柩車

予感も混ぜ込んで筍ご飯           つゆこ

来客みんな笑顔で帰りさて洗い物

尼僧の襟足やさしい春彼岸          喜久也

雑草の匂い立つ春時雨

たれもかれも夢みるほどに遠くなる

亡き人の重さを量る藤の花房         架京

さくらさくらひたすら嘘をついている

人肌を待ちながら花の立ち枯れ        えみ子

清純を捨て女を踏み抜いた子等

布団の間が開いてきた外もリラ冷え      人美

雨の動物園チンパンジーの憂鬱

日曜の色が欲しくて花屋の店先        貴子

晴れた日は旅の鞄を細目に開ける