2014・2月の句会    ー第104回ー

 

着膨れてなりたかった人にはなれず    健治

みんな良い人で話がまとまらぬ

あなたの優しさまるごとコートで包んで帰る   架京

来るはずのない人を待ちコートの襟に月の気配        架京

お蚕がまゆはくように春夕立       昌子

大寒の朝ピリピリと空が啼く

ゆらゆらもやもやこの先は        れいこ

ロッカー艶歌ワインゆらして朝まで

遠い木をながめた遠い日         克彦

初雪や鼻たれ坊主のベロに消ゆ

拝啓。油虫は冬でも裸で元気ですね。   人美

心が痛い 救急車呼んでもいいですか

雪の底で大あぐらのゆきおんな      喜久也

私の枯野にも雪の直球

梅を見上げる細い手の静脈青白く     ゆき

もうどうでもいいことばかりだ雪しんしんと

内に棲む鬼を追い出す節分会       つゆこ

頑張ったおかあさんのオギャー

さらさらとこぼれてゆく時間にふるえる   歌也子

でも涙はあたたかくて桜の蕾

えっちらおっちら齢を重ね今年も桜待つ   妙子

春よ春よと呼ぶ声今少し眠らせて土の中

音もなく舞い降りてきて兎になる      貴子

雪やこんこん降らない街の油売り