2013・8月の句会    ー第101回ー

おいそれと観念しない冷凍蜆無言    妙子

偏屈とも個性とも月を悩ます長い話

小夜時雨ひとりの夜の銀河の瞬き    昌子

強さとは一歩先ゆく君の背中

ガラスのハートにひびが走る      れいこ

笑いにかき消されてしまった告白

ちゃんとさよならが言えたのか蝉が責める   ゆき

隣の扇子から柔らかな風と香り

トキメキがタメイキになるアナタの視線     歌也子

暗闇でも涙は温かいから

熱中症の蝉がやけくそで泣いている     人美

あの仔のため猫じゃらし一本抜く

夏帽子色褪せて子は新学期         喜久也

影のように谺のように屋根のしたに私

人の居ない恐怖の村をひた走る       つゆこ

なるようになるさと山の風

やっと夕空 乾ききった月がでる      架京

のうぜんのぎらりと遠い眼が光る

痩せた心臓の鼓動は墓ほる音       弄山

食欲もなく鬼百合の香り

膝頭抱き耳押し当てる 子守唄聴く     えみ子

関節の痛みそれぞれに戒めがある

川風に夕焼けて焼けて沈むまで      貴子

月がとろりと融け出した夜を右折