12月の句会    ー第97回ー

 

スポット浴びて散る銀杏激しく散る         知宏

冬日大きな柿の木に五つ六つ

命の余白に咲き連らなる夕顔の花          昌子

フウフウ焼豆腐食べながら除夜の鐘聞く

ずっと握っていて呉れた              こあめ

道の脇で咲く

針穴から中々出てこない名前            れいこ

初冬日がな一日布団になる

抗議の一票に出向いて赤い紅葉踏んでいる      ゆき

凍てついた月 川面に砕ける薄荷のカケラ

星を連れて走る少女達の汗が夜露になる       人美

いつも淋しい女と気取っていたら石にも木にもなれないよ

子の笑顔があれば望みは何もない母で         歌也子

あなたは風ですか星ですかそれとも木漏れ日

電鋸小気味よく寒さ切っていく            妙子

冬陽やわらかに誰も留まらない人差指

さっきいた月がいなくなっている窓          架京

まただまされている白菜ザクッと割る

耳奥には昭和の師走のチンドンヤ           つゆこ

選挙カードが騒々しく行く私は年賀状書く

今日が傾斜していく白い空に             えみ子

冬に踏み込んだ夜水槽の水音静か

ガラスになった手が涙にくもる            弄山

我が死骸をみてゲラゲラ

あっちこっちに詫びつつ病んでる           喜久也

さっさと落とせばさっぱりするのに          貴子

君、そこは海というより深淵である