1月の句会    ー第86回ー

 

しまいぶろ残りの今年をざざっと流す   れいこ

借りた猫の手にひっかかれる師走

月は窓に二重サッシで声は届かない   昌子

夕焼けは淋しい心にぽっと灯った明かり

ざらざらと胸の渇きに流れ込む天の川   えみ子

真っ白い日記帳閉じる雪になった夜明け

波のまぶしさが音量を高める       弄山

六十年生きた女の三つの隠し事     歌也子

記憶のノートに二行だけの恋

邪魔者で育った野菜をいただく     つゆこ

科学が青い地球へアカンベエ

うたた寝の隙間に新年が通り過ぎる    ゆき

蝋梅の香りに背中押されて一歩

稲荷山赤龍うねり天を衝く       草場克彦

吐いて飲み舗道まくらにオリオン座

ふろうどもんざ九こう       長谷川了乙

てあむぁりィ 天けん

三歩あゆんで霧の中、透明の月が覗く  日和呂

でんぐり返って天の川に水死体

誘えばすぐについてきそうな犬で寒空  貴子

ところで神様私の願いは何番目で

ダダイズムをきたえながらこの年を迎える  人美

風冴て失業者の列に並ぶ

縁側のぬくもりをお尻にいただく     縮酔

母も老いて子も老いて終日同じこと話す

白嶺に銀のさざ波鴨幾千          奥野あらき

()は怒髪表と裏を分ける(しら)(ひげ)