7月の句会    ー第80回ー


無言が一番とホタルの飛ぶ          日和呂

湖の月に浮かれて破線を越える

ある時すーっと吹く風が母          つゆこ

真っすぐ真っすぐ行きすぎて心がポキッ

シルバー料金ですって喜 怒 哀 楽

飛びきりの話など無いが墓石に聞かせる    ゆう子

パンクした都会より熱溢れ出す

紫陽花に囲まれて何色にも染まらぬ自分    ゆり子

鳥追う猫の目に青々と梅雨明けの空

夏雲を突き上げて咲く赤い赤いカンナ

また遠くへ行ってしまうあなたの影を踏む   歌也子

どうやら父以上の愛には逢えそうもなく

蘭ちゃんの髪真似てキャンデーズになった日

生きがいは何?鴉に聞いている        れいこ

そのひとことでかたまったまんまたそがれる

誉められすぎたバラの高慢

側にいてせめてこの雨上がるまで

仮面の下に奈落がある            伊織

抜け殻に鴉が群がる

炎天に孫生き生き生きている         喜久也

わだかまりのふくれるさよならのあと

宵口のかすかな羽音夏が飛び出す       貴子

ああ今日もよくできました丸い月

ほろ酔いのグラスに入り切れない野分の音

旅の途中に出会う山河の温もり        昌子

もう少しもう少し遊んでいたい 夕まぐれ

風の通り道夕顔の花ひそやかに咲く

菖蒲の紫に沈みゆく廃線の駅         えみ子

ふあふあと夕闇の薔薇に行きつ戻りつ

絵をみつめ絵の中の人になる         弄山

夢の中で話す音のない声