6月の句会    ー第79回ー


やっと区切りがついた6月が寒い      つゆこ

大雨続いて国会も争いばかり

割鏡に顔を映しピカソの似顔絵        弄山

小雨に炎をあげる新緑

梅雨寒の夕べ拍車の掛かる独り言      えみ子

お顔もみえぬ地蔵さま肩に額に赤いぐみの実

口ずさむ唄あるよ宵闇のブランコ       喜久也

冴えない日の冴えない言い訳梅雨に入る    ゆう子

鼠色に汚れ内向的に動く朝

白髪ナチュラルブレンド染めないこだわり   歌也子

青い紫陽花赤い紫陽花恋しい鎌倉

雨音高く低く浅い夢に流れ込む        由利子

時が解決してくれるかしらと梅酒の瓶に問うてみる

麻の暖簾ふわり舞い上がって濃紺の夏

父のない子が同じ顔で微笑む         伊織

ひとりひとりの落日である

男の中で小さな風鈴が鳴る

Fコード進行中の黄昏る東の空        人美

可愛い妹に云っとくれ あたいのまねはするなと

厨に立てばストンと落ちるわだかまり     れいこ

色濃く入れたことばのだしがら捨てる

傘の波湿った視線がすれちがう

不安ポケットにねじ込んだままの一日

風になれ ト音記号が北の大地を駆ける    昌子

雨の夜屑かごから拾った心の消しゴム

引き売りの魚屋のにこごりのサメの皮

赤いジャムにて巷は春の嵐

紫陽花の耳流されて夏を開く音        架京

移ろう紫陽花が染めていく雨の糸

喪失の記憶月面に浮いている         日和呂

篠つく雨が残していった街のひび割れ     貴子

重石にもならぬガラスの金魚昼寝する

今日は何かが起こりそう梅雨に隠れる山