2月の句会    ー第75回ー


1 猫寄り添って眠る袖口噛んだまま             歌也子

2 不仕合わせの清算すんだか飛行機雲               ゆう子

3 娘帰った後の柱時計の音の中にいる                昌子

4 シャガの花それでもこうして生きている            れいこ

5 影なき街から逃げ出す術がない                  伊織

6 帽子深く知らない人でいよう                   弄山

7 明日もこの鍋に煮えている                   喜久也

8 寝静まった家の独りを楽しむ                   つゆこ

9 淋しい雨のむこうも淋しい雨の窓辺                架京

10 ぬくぬくと広がる花びらに寝そべる                貴子

11 怒りも悲しみももうひとりの自分が笑う            歌也子

12 インスタントで孤独な空腹満たされていく           ゆう子

13 石けって夜の深さはかってみる                   昌子

14 いいわけ出たり入ったり胸のほころび              れいこ

15 (とう)(げつ)の池で鯉がはねる             伊織

16 肺に蝶が遊び鱗粉をまく                       弄山

17 風花舞う空中分解の夢あまた             喜久也

18 寒風が優しい人になれという                   つゆこ

19 ひとばんじゅうまんじりともせず愛のことで愛のことで  人美

20 大根が無表情に煮くずれた                      架京

21 ゆっくりと切り刻んでゆく追憶                   貴子

22 幸せの素さがそう冬の蝶になる                  歌也子

23 遠い昔の汽車に乗りおそい春探しにゆく             昌子

24 とろろ尾を引くわだかまりの午後                 れいこ

25 幼馴染も校庭も消えてしまった朝である             伊織

26 夜空と陸のすきまにもぐりこんで今夜もねる          人美

27 しあわせひと粒つまんでいる炬燵(こたつ)         れいこ