1月の句会    ー第74回ー


冬の風鈴 詩は未来のものです    

振り返ってはいけない裸木の町は影絵  架京




歯が俺を睨んでいる         

猫と鉛色の記憶があれば生きてける  人美




羊を数え終わり鼓動が止まった    

雪音つもり椿白く消える       弄山




裸木にカラス群れてなにあばく   

物語めく雪の夜のうちわ話     喜久也




零度に暮らす深夜の屑かご満杯    

従順に生きて褒められもせずお正月   ゆう子




月の光ゆったりと心を泳ぐ     

昨日今日明日子の笑顔幸せつれてくる   歌也子




薄明りしあわせのしっぽをさぐる    

欲しかったのは理屈抜きのその笑顔

思い出の糸たぐりよせてる毛糸の玉

耳を当てればほんのかすかな春の足音   れいこ




うす紙剥がしたような白雲流れ正月が来た  

昔無賃で飛び乗った山行きの列車

錨あげて未来予想図探しにゆく       昌子   




夕べ丸めてつっこんだままの顔だった   

風に触れひりりとしみる梢の先

湿り気味の歯触りかみしめる悔しい    貴子




日なたぼっこの昔ばなしを聞いている    

雨戸を開けて木々の風に今日を聞く

咳も遠慮して通る老の家          つゆこ