12月の句会    −第73回−

              


グラスに眩しく笑顔が歪む      

雲の縫い目に触れ流れ星が燃える   弄山




裏切られても母は小菊を咲かせる   

遊び相手がいない月に向く椅子    架京




何が何やら先ずはお茶を一服      

今を預けて子犬の寝顔

静寂な川誰へ流れる          つゆこ




病室に残してきてひとり冬に沁みる    

愛の形をCMのように子犬と       喜久也




親密ではないが目映いひとと十二月    

卵にひび割れ浮き名また流れてしまう    ゆう子




秋としての花仕舞いして冬の花     

このさよならはまた逢うために言うのです

お日様 風の耳ピンクに透ける        歌也子  




苛立ちそっとかわして良いお年を     

十二月高まっていく街の動悸

ことばチクリと刺すピラカンサのトゲ

盛り上った話題かきまぜて雑炊      れいこ




二度とない日の朝のコーヒー        

はしり書きした今日一日をとじる      昌子




冬将軍居座って 孤独孤独とないている   

そんなに冴えたって怖くありません

背負い投げのまんまで壁のコート

掃いても棄てても正月がくる

ツリーの影で点滅する二人の行方       貴子




ぼくは多くの河を知っている       

さよならサンタだった父さん母さん     人美