数分後には担架の上、鼻歌のペダルの夕

不意の接吻むせかえるくちなしの香り   

後半の歌詞でてこない湿っている         れいこ



自分の荒野を知っているか

暁に泣くのは誰だ

己の雨音を聞く                    伊織



みんな行き木の根の道が暮れてくる

気の回る風鈴は弁解ばかり             ゆう子



ため息きれる帽子の縁

目の端に三角の明るさ残っている          えみこ

            

ぶきっちょに初飛行うちのつばめ

山から下ってさて次の山は

人間が来たと山鳥逃げた               つゆこ      



ガラスの切り口を蟻が行軍する

炎の影が見分けた黒の色彩             弄山



飛び出し坊やに手を振られ今日も楽しく職安へ

空も猫もお昼寝そしてぼくも              人美



臥して雑草の奔放を愛す

険しく思いつつやがて眠りにゆく            喜久也



やわらかなほほえみ貴女は陽だまり

シャガの花ただひとり胸に置いて

騙されてあげます雨の日のバラ            歌也子


      
ためらって愛を語れぬ池の水澄まし

淋しさそっと呑み込んで消化不良の一日       昌子



鴉朝の心臓をついばむ

夏の宵女ばかりが痩せてゆく              貴子



喪失は星の海に歩いて歳とって

ここまで来たら革一枚の夕暮れに

辛酸の漬け物もって閻魔に会いに行った人      日和呂

7月の句会