退屈を大きく回す観覧車

猫も桜も枯れて還ってゆきました         

雨をふくんだ足元に埃のごとき虫の舞       貴子



海をつまもうとするワンカップの指

軋む椅子ピアスお女も梅雨ぐもり          架京



過ぎた日のお思いでにつながる今日の雨

親指で恋するあなたとわたし             昌子



たてつけの悪い会話ガタピシと閉める

春でもないのにいつまで貴女につくしんぼう

ため息に鼻歌からめて六月             れいこ



出口のない赤児が泣く

そして夜は隠蔽される                

私たちは廃墟である                  伊織



アッという表情が笑顔になる

さよなら言えるだろうか その日

遊び場は墓地のかくれんぼ鬼ごっこ        歌也子



かわらない朝を笑いながら歪む

気怠い雨の誰か茶房で待っている         ゆう子


      
膝を犬にかしていて軽い落日 

感光しはじめた一匹の蟻がいる           喜久也


落月の畔へ還る

すべてが夕陽になる

寡黙な爪が伸びる                    伊織



甘えたい気持ちがあなたへ傾く

片恋に逢いにゆく真っ白なブラウス

まっすぐに生きて今年も 萩の芽           歌也子



青梅を深くしずめる一日を雨

隠しもつ小さい翼が羽ばたくよ            喜久也



気の向くままに、擦り減った今日の靴

新入りの金魚 真水に溺れる             ゆう子



早熟な闇がブルースな蝙蝠を笑う

こんなにきれいな星空なのに誰かが泣いている  人美







6月の句会