どこかに開いた花がある優しい風

緑の風に素直に向き合う庵の縁側         架京

       

くよくよくよくよ私らしくない地球が変だ

あっちもこっちも悩む人ばかり五月が重い

源泉露天風呂のくびれた女と私           つゆこ



鼻歌くらいじゃ捨てきれない夜がある

そぞろ歩けば踊り子草の小さな手          貴子



うれしい言葉聞いたよ お水あげるね

本より重い腕が布団から出ている          えみ子



ため息ひとつに集めて綿毛吹く

かすみ草息をひそめた会話の行方

桜草それでもこうして生きている

スイッチ弱で夏が始まる                 れいこ 
 


落月の畔へ還る

すべてが夕陽になる

寡黙な爪が伸びる                    伊織



甘えたい気持ちがあなたへ傾く

片恋に逢いにゆく真っ白なブラウス

まっすぐに生きて今年も 萩の芽           歌也子



青梅を深くしずめる一日を雨

隠しもつ小さい翼が羽ばたくよ            喜久也



気の向くままに、擦り減った今日の靴

新入りの金魚 真水に溺れる             ゆう子



早熟な闇がブルースな蝙蝠を笑う

こんなにきれいな星空なのに誰かが泣いている  人美







5月の句会