第167回 エトレ句会 選句結果 2024・11・24
1 笑顔を形状記憶にして冬へ向かう 歌也子
楽遊原・酔魚・貴子・克彦・幸弘
厳しい現実だが笑顔を心がけようとする想い
2 ゆく船の岬に隠れる頃に波 立日十
歌也子・煙陽・克彦・けんじ
船の後には波しか残らぬ美しい光景。
3 老いてカマキリそっと掴めるだけの虫 郁也
歌也子・立日十・ゆき・
カマキリってこんな感じだ。・「虫」がカマキリだとわからなかった。
4 レモンレモンレモンばかり流れてくるベルトコンベアー 楽遊原
ゆき・ちか・
5 改札を抜けふるさとの風が笑う 麻由可
酔魚・
6 ゆく秋にみんな知らない人ばかり 人美
麻由可・啓司・貴子・けんじ
同感。
7 丘を越えてくる楽しかった日の声 かえい
貴子・
8 秋の日差しに草木染めの暖簾が赤い 啓司
9 ちっちゃいとこからガタきて難儀 酔魚
歌也子・貴子・けんじ
ひたすら共感。・無駄のない簡潔な表現。
10 仮想の雨が漏る 楽遊原
11 選挙結果ほろ苦し秋刀魚の塩加減 ゆき
貴子・幸弘
12 席を譲り損ねた青年に乾杯 和宏
立日十・
青年の善意と恥じらいに作者の暖かい目線。
13 「存在」なんてアワダチソウのアワの一粒 貴子
楽遊原・けんじ
14 場末の公園は旅の月である 煙陽
一音
15 実らずせわしく秋暮れて 郁也
かえい・酔魚
16 地蔵の目線の内と外に猫 圭一
17 赤いまま朽ちている自転車 ちか
麻由可・啓司・酔魚・貴子・克彦・一音
赤という生命感と「朽ちる」という死のたいひが印象的。・西洋画のよう。
18 晩秋の風鈴枯れ葉揺れる 克彦
19 父の手ひいて彼岸花のつづら折り 一音
立日十・かえい・〇啓司・
墓参りの様子が具体的に伝わる。
20 遮断機が降りて来たような別れだ ゆき
歌也子・立日十・麻由可・酔魚・和宏・ちか・幸弘・けんじ
・別れた後もお互いが見える、手も取り合える。しかし、もう以前とは違う。・いきなりのわかれではない別れの句・遮断機が上がった時にはもういないという喪失感
21 満月に疲れたよとごち ちか
22 防災の日電源オフで過ごしている かえい
23 新聞配達の音冬の蛍 克彦
24 靴底躍るそら色の秋空 幸弘
25 母タコ魚屋の三者面談夕暮れる けんじ
かえい・ゆき・ちか・克彦・
店先で話しが長引く様子。昭和っぽい風景。
26 田んぼが自然かとこだわる人がいる 和宏
かえい・
27 冬立つ日の君の油断につけ込む 一音
煙陽
28 「排煙装置」も鑑賞されている展覧会 圭一
楽遊原・麻由可・かえい・和宏・貴子・克彦
・現代アートか。・町の古びた美術館にめぐらされている装置なのか。・バンクシ―を連想
29 うろこ雲のした秋の祈りの栗の実の 幸弘
30 籠っていたキンモクセイが散っていた 歌也子
立日十・
31 いつか来た道を犬と迷う けんじ
啓司・酔魚・ゆき・和宏・ちか・
そんなことがあった。・ユーモラス。
32 暮れなずむ街 角打ち酒二合ほど 人美
立日十・
33 波音を離れ松原を静かに歩く 啓司
34 音のない夜の長い 古戸信
ゆき
35 むきかけの林檎みたいな話を聞いてる 煙陽
楽遊原・麻由可・幸弘・けんじ
具体的にはどんな話なのかわからないが比喩が印象的。
36 やさしくありたいありましょう 酔魚
〇歌也子・〇煙陽
37 不意の昼寝だったか 古戸信
立日十・酔魚
38 イヤリングきつく留め私を少し強くする 麻由可
啓司・ちか・幸弘
39 電車を待つ人影となり並ぶ 立日十
一音
40 なんのこれしきと思う日は真っ白な花を買う 貴子
麻由可・かえい・幸弘・けんじ
なぜ真赤な花ではないのか。
今年は特に暑さが長引きました。そして、その後の急激な寒さ。温度差に戸惑っておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。第167回もかえい・ちか・けんじ・克彦・楽遊原・酔魚・ゆき・貴子と八名の出席者、12名の投句及び九名の選をいただいて賑やかに開催することができました。久しぶりに出席されたけんじさんに司会をしていただきました。お忙しいし、暑いからなあと思いつつ最近遠方の方から御選の番号のみが多くて少し寂しく思っております。句会では必ず送っていただいた句評を紹介し、また会報にも生かすように心がけております。選んでいただいた全ての句に評を付けるのは大変だと思いますので、1句だけでもいいですから感想をおきかせいただけると有難いです。
さて、1月の句会はここ数年吟行を行っておりました。句会の後で候補地の話等出ましたが未定でおります。吟行の実施いかんにかかわらず、今回よりいつもの通りの句会をしようと思っておりますので、俳句を送っていただきますようお願いします。
また、前回お知らせしましたように2025年より会費を一括で集めることにしたいと思います。今までは出席者より1000円を集めておりました。長年、その形で会を運営してきましたが、それも私には申し訳ない気持ちがして、と申しますのはホームページや句会場所の利用料金、通信費等は全体にお願いしていいものではないか(句会中のお菓子代や2次会の費用は会費から出しておりません)という思いがありました。一方で、でも、無料であればこそ気楽に参加してくださっていた方々に負担をお願いするのも気が重くてどうしたものかと躊躇しておりました。句会の運営は会によって様々ですが、1年分をまとめて集めているところが多いようです。会計をお願いしているかえいさんの負担も軽減したいですし、この際皆様にお願いしてみようと思いました。ご理解のほどお願い致します。
句会に出席してくださっている方は1年分3000円、遠方の方は、2000円をお願い致します。(但し学生は無料とします。)私の住所及び会費の振込先はメールの方の会報に記載しております。
以上です。よろしくお願いいたします。寒くなりました。お身体大切によいお年をお迎えください。
(小山)
◎次回第168回句会のお知らせ(前に書きましたようにいつも通り句を送ってください)