二人の歩幅が乱れ始める

冬の時計を外す

戦争になればいいと言う君らが戦地へ行くんだよ       

眠れない夢を見ている                 伊織



いただきます皮肉もはさんだミックスサンド

風光る知らない子へもほほえみ返し

あどけない言葉の新芽に耳かたむける      れいこ



桜咲きましたむつかしい話は後回し

初ワラビ摘んで帰れば人気者で

深紅の花桃咲いて思い出いろいろ         つゆこ 
 


しめやかな夜の不安定な椅子の位置

酸欠の金魚は春を待っている            ゆうこ



また始めから雪柳の春の芽のラッシュ

冷たい雨頑張ろうねと木々につぶやく

会えなくなったあなたのやさしさの封を切る    歌也子



蟻が蟻をのりこえてどしゃ降り

孤独が移ってゆくスタバのテラス           ひとみ



風に崩されはしない片えくぼ

鼻唄うたって少し気強くなっている          喜久也



野苺の花言い訳はしてはいけない

忘れようこぼれるほどにミモザ咲く          架京



心張り棒には細すぎるよ月

毎日ひなたぼこで枯れてしまいそう

いつまでお灯り点して何ほど望むのか        えみ子



風に鳴るガラスコップ光と光が触れ合う

おぼれてつかんだ水のかたまり            弄山



陽春を喉元に受けて菜の花

羽化したら忘れられますか

晴れぬ日をくるくる回しながら帰る           貴子



いいわけこばむかに秋の落日

遅れがちな時計が春を指す               和子



3月の句会