秋祭りの笛が母を恋う

私の脳細胞寒風に蘇る

時に人は欝になり夜中のワイン           つゆこ



刹那の猫が闇へ帰る

踏み出せば道は始まる

枯れゆく風を猫が横切る                伊織 
 


手編みのセーターざっくりと冬の足音

前向きにを連発する男の衿の汚れ

トーストの漕げた会話の朝の匂い          れいこ



開け切った薔薇の秋を崩してしまう

空き瓶のむこうさらにゆらゆらする           架京



覚えのない記憶の抽出し揺すっている

とっぷりと暮れた煉瓦の壁で張り付く         ゆう子



まだ重くはばたく時を待つ雲

寒くなった帰り道の野ぶどうのルリ色          歌也子



野生にはもどりきれない猫の逃走

これからが本番なのに白い月

少女放物線の中で眠る                 貴子

   

しのつく雨の筋と筋の間に宝石の実

雨やんで雲に男の空洞女の空洞           弄山

 
 
二人がよければ天の川

私が私になっていく星屑とタンゴ            人美

11月の句会