二重映しの窓の中で笑ってみる

薄暮ビルが錨を下ろすところだった          貴子



さびしがりやの女が研いだ三日月

窓越しの布団冬日をたたみこむ            和子 
 


眠れないよ夢みれないよ白い月

モノクロに老母いて紅葉の日だまり          喜久也



夏を離した手が少しけだるい

あなたの心まで木犀銀河になれ            架京



ざんざと月光あびて鼻歌

すべて委ねてつきが出ているB病棟         ゆう子



おぼろ月心に魔法をかけました

その人の幸せ願う気持ちを恋とする          歌也子



十月の山が衣替えを始める

草引く手に幼稚園の運動会の唄

山の話は尽きずランプの灯の下            つゆこ

   





 
 

10月の句会