私には夏休みがない畑の草

草むしりの野婦裕次郎口づさんで           つゆこ 
 


胸奥に黒猫うずくまる   

疑うこと知らず子猫まといつく

私の雲が流れる                       伊織  



あなたの笑顔でほら心にも紫陽花

大きな波にのまれ貴女との距離

雨  愛されていないことわかっている        歌也子




古い黒板白のチョーク乗りきれず

30ミリの雨に蛙が鳴き出した

苦労しすぎた顔に西日の濃さ               東作   



幼いなりの葛藤も、黙って抱きしめる

くちなしの花黄ばんでも尚優雅なその香り

ぜんまいの仕掛けの1日貼りついた貌引き剥がす  れいこ



おちこぼれになるんじゃないよ青いどんぐり

純愛なんてカサブランカは無関心            架京



風景の余韻に路面電車の揺れ

ほしいものひとつある梅雨の外側            ゆう子



ああやりきれない猫の眉根

両耳畏まって入れていただく               貴子



風船の糸もつ手も老いました               

古本屋に子の本あまたを婚近し             喜久也



扇風機が気怠い音して梅雨晴間

重ねた齢に逆って彩りを身につける梅雨        和子

 
 

8月の句会

エトレの会の皆様へ

 今回、「でんでん虫の会」代表、層雲自由律の藤田踏青夫妻が出席、賑やかな会となりました。
 
 句会の中で、「寂しい」「優しい」「すっくと」等等、言わずにそれを伝える努力をすべきでは…
句か甘くなってしまっている… 短律はインパクトがある…  余韻、余情が十分に出ている…
句に深みがないと印象の薄いだけの句になる…  取り合わせの強すぎる又は弱すぎる句がある…
などの意見がでました。

 藤田さんは、総じて「おとなしい」句会ですねという感想でした。そう思えば、以前はわりと言いたい
ことをいうところがあったのですが、次第に温厚な意見をいう会になっているように思います。
いろいろ反省もし、個人的ですが、句作の方が勉強不足であり、意欲がないことに今更ながら気づか
されました。

小山 貴子