私には夏休みがない畑の草

草むしりの野婦裕次郎口づさんで           つゆこ 
 


胸奥に黒猫うずくまる   

疑うこと知らず子猫まといつく

私の雲が流れる                       伊織  



あなたの笑顔でほら心にも紫陽花

大きな波にのまれ貴女との距離

雨  愛されていないことわかっている        歌也子




古い黒板白のチョーク乗りきれず

30ミリの雨に蛙が鳴き出した

苦労しすぎた顔に西日の濃さ               東作   



幼いなりの葛藤も、黙って抱きしめる

くちなしの花黄ばんでも尚優雅なその香り

ぜんまいの仕掛けの1日貼りついた貌引き剥がす  れいこ



おちこぼれになるんじゃないよ青いどんぐり

純愛なんてカサブランカは無関心            架京



風景の余韻に路面電車の揺れ

ほしいものひとつある梅雨の外側            ゆう子



ああやりきれない猫の眉根

両耳畏まって入れていただく               貴子



風船の糸もつ手も老いました               

古本屋に子の本あまたを婚近し             喜久也



扇風機が気怠い音して梅雨晴間

重ねた齢に逆って彩りを身につける梅雨        和子

 
 

7月の句会