2月の句会

人形と暮らせばいつも微笑んでいるばかり      

街灯ほの白く夜を脱いでいく

顔のない裸の女が載るカルテ          貴子

生死のあわいをカラス舞いつづける

かぜも芽吹きはじめた

風の歩廊すゞめ来て食べている         伊織




寒梅ツアー駅のポスターが満開

美しく繕って自分史の張りぼて

今朝の薬なんとなく無愛想             彰夫

ほろ苦き思慕とじ込めしチョコレート

チャイといふ優しき名前雪催            真理

心はなやぐ年でもないが春の日ざし

気がつけば家の真上の空の真っ青

線香の煙はゆらゆら忘れないで         つゆこ

地球儀にグサッと刺さった体温計

盲導犬がパレードの喧騒をみている      ひとみ

ましなこと言うほどに綻びまた目立つ

この頃なにかが洗って磨いて尖ってる     周水 

洗濯物も鼻歌に揺れる小春日

手元に日差しが集まってスポットの春     えみこ

あそこからここまでが中間

くちゃくちゃなハンカチの卵型          架京

愚図る子の守歌らしき春時雨

春寒のふたり去りまだ去り難しマリア像    ゆう子

ホットケーキの甘い夢大きく膨れフライパン

心の空白  庭の万両の存在感

パパ大好きだったよ今でも夢で笑ってる   歌也子

男も寒い、女も寒い、山茶花揺れている   

咲きかけたことば蕾のまま出掛ける

ことばの積み木土台から崩れてしまった   れいこ

は昔さらりと過ぎる恋の行方

紅梅せめぎ合う冬と春              和子