第一三二回 エトレ出句一覧   

青空を化粧する花巡行隊着地する庭        かえい

 バターナッツスープの出番ヴィオロンのため息を食べる

稲荷山しぐれて今日は神も無し           克彦

奥山で会ったサルなにか話がありそう

皿を洗った手のパソコンが濡れよる        古都暢

赤子の視線を追えばやもり

アーしんど検診受けて異常なし           裕一

かえで色づく小さな秋

銀河見上げる君の面影摘んでいる           章

焼き芋で近所の犬を子分にしたろ

聞いてないふり上手になってみる          酔魚

ざわめきに静かな一瞬を探す一人酒

 急に不安になる心拍数百越えの朝         歌也子

雲のすき間の青が鮮やか

花水木の下で待ってます赤い雨靴の片方       妙子

話し合いの末胃瘻選んだ日の夕茜      

旅行計画海が近づいてくる            麻由可

曖昧が嫌いでブランコ高く漕ぐ子
ハズキルーペが老眼鏡の代名詞となるか       和宏

恐ろしくまるい月が太陽の塔とにらめっこ

母と帰る夕暮れの地球防衛軍           けんじ

たたたと来て塗り立てのベンチへ鳩

嬌声薄っぺらな夜を裂く            ゆき
夜更けて風に薄荷の香りする

転がった空缶わたしを蹴る           架京

ススキ原おばあさんになる準備      

後の月のあくびつめたい            一音

へいへいぼんぼんつくづくむだな毛を剃る

棄民群れなして半額の会計に並ぶ        働猫

原罪という自己責任で地獄に落ちる

やさしくなろうとする爪が硬い         博之

通夜は横に置いて金の話

叫び堪えても留まらぬ両の目の涙        郁也
山開き夜明けて今日は四十九日

船上の恋散りゆく葉に萌える          一憲

秋光揺れるきみの黒髪紅いことば

餌もらう蝙蝠は地を這う           大布団

黒いランプが群れる

寝込んで知る壁の穴の多さ           雅人

西日がいじめる児の眠り

役柄は死んだふり               縮酔

木枯らしにあぁ~念願のキリギリス

秋空あのレジ袋はどこからきたのだろう     圭一

秋晴れのひまわり俯いている

戦を見たかホタルブクロの中の月        貴子

やがて細胞の中へなだめられてゆく

崩れていく雲へ走る             タケウマ

尖った日差しもあなたを思い出す小春日

風に吹かれてこの街にいる           人美

雲のない青空なんて空じゃない

もの言わぬ右手が 宙する            知子
三者三様の 狭い台所