7月の句会    ー第92回ー

梅雨が明けて木陰に人が集まる   つゆこ

迎え火しんがりに母がいる

生きていることを感じ雲を歩く   弄山

雨やんで鮮やかな翅が風に流れてきた

胸底に雨染み消しきれぬ指紋として   喜久也

梅雨煙る確かな位置にポストの赤

ひとひらに散った私の断片たちの    ひとみ

平成の少年は知ったかぶりで昭和の男は知らんぷり

悔しくも消せぬ過去ある蓮は静かに咲きつ    えみ子

それぞれの陽炎から立ちのぼる旋律

あっけなく巣立ち綿毛が風に揺れる     ゆき

心片付かず 納豆ぐるぐるぐるぐる

穏やかなお顔にそっと触れ遠い日々のこと    歌也子

山田洋次さんとだまってお茶をいただく

チクリと刺されたちいさな皮肉      れいこ

嫌なことはとろろすりおろしてしまおう

踏んだ落ち葉は小鳥でしたか    昌子

まずお帰りと、縁もゆかりもない海だけど

ラムネの玉のよく響く音のまっさらな月見る   知

遠く水脈ずっと船の後ろだ

今日も生きている風の旅先  こあめ

襟足にこぼれる月とふたりきり

ぐっと堪えてしきりに海がみたい    架京

こんなふうに竹になって聞く風の音

葬儀場へはだらだら坂なり母と子と行く   貴子

襟足よりもなお水色の爪の先