5月の句会    ー第90回ー

ハンガーに吊した服が女捨ててる      架京

ふっと忘れられそうな日の黄砂

三十年ぶりの自転車をこぐイケイケだ    えみ子

煙草挟んだ指の匂い皺深い声 懐かしいな

月弧にひっかかってる僕の昨日        ひとみ

心病んで立ち尽くす盲導の犬

不可解を秘め新緑を旅する          つゆこ

良い顔になって山旅から帰る

風穴を開けたくて ピアス          ゆき

こんなに遠くまで来てしまった ひめじおん

ハムかベーコンか毎日が主婦の戦い     歌也子

信じたい背中と菜の花の道ゆく

置き傘ひそかにひらく小さな罪       れいこ

五月雨夢の中では生きている

いちょうは金ピカでそのように散った     知宏

幼子みずからの足で立つその時笑顔

明日も(あご)も預けて眠りこむ          貴子

日暮れてフォークダンスの輪の外へ